7月は5歳児クラスの子どもたちの活動を中心にお店やさんごっこや表現活動がいろいろなクラスで広がっていき、とてもいい保育一期のまとめとなりました。その中で5歳児が取り組んだお店やさんごっこから今の私たちの便利な生活が子どもの遊びにも影響していることがわかりました。
いつもならお金や財布を作って配ったりすることもあるのですが、今年はお金の代わりに厚紙で携帯を沢山作って、それを買いに来た人に配っていました。それを受け取った2〜4歳児は当たり前のようにその手作りの携帯を使って支払いをしていました。読み取りの機械も作ってあって、そこに携帯を当てると「ピッ、ペイペイ」と5歳児が声を出して支払いが完了していました。面白くてしばらくそのやりとりを見ていたのですが、一つのお店に4、5人のお店番の子どもたちがいるのですが、静かに立ってみているだけで、例年のようなお客さんとのやりとりが少なく、なんだか手持ち無沙汰な印象を受けました。どうしてかと思って考えていると、お金のやりとりがなくなったからだということがわかりました。いつもならその時に合わせたお金のやりとりをする対面販売が無言で買い物をする便利な生活に切り替わっていたからでした。
確かに私たちの生活は人と会話しなくても欲しいものが手に入る便利な世の中になっていますが、一緒に遊ぶことで人との繋がり方を学ぶ大切な幼児期に、こうした遊びのモデルがなくなっていくことはとても心配です。本や絵本などもメディアに変わりつつあります。そのためにも家庭や園、学校でのおしゃべりは相手の気持ちを学ぶ大切な集団(社会)だと思います。