園庭の鉄棒で遊ぶ5歳児の姿の中にお互いに育ち合う嬉しい姿を担任が記録しましたので紹介します。
Aさんが「逆上がりできるようになりたい」と挑戦していました。「僕もやってみたい」とFさんもきて「できないよ」「難しいね」と言いながらチャレンジしていました。そこへMさんがきて「胸は、鉄棒に近づけて、足は上に上げて、顔も上向くといいよ」と教えてくれました。「たくさん練習したらできるようになったよ」「Aちゃんもできるよ。頑張ってね」と優しく声をかけていました。Aさんも「頑張る」としばらくの間、逆上がりを頑張っていました。
子どもたちの遊びの中にはこうした、相手の意欲を引きだすような関わり方が日々くりかえされています。そこには「教えよう」という気持ちより「一緒にできるようになって欲しい」という願いの方が強いので、大人以上に相手の気持ちに寄り添った付き合い方ができるのだと思います。これが“子どもたちがお互いに励まし合って成長していこうとする姿”なのですが、こうした遊びが展開されるには子どもたちが主体的に遊ぶ中で、人間関係が豊かに育まれていくのです。さらに、お互いに育ち合おうとする姿は、小学校へ行ったときにも勉強を教え、困っていることを一緒に解決しようとする関係へと繋がっていきます。このような姿は小学校の先生からも聞くことができましたが、生涯必要な人間関係を遊びの中で獲得していく学びは宝物探しのようです。

