自己決定の繰り返しの中で心が育つ瞬間
保育参観後、保護者の方との懇談の中でよく話題になるのが食事に関する悩みです。私は食べることに関心を持つことが子育てにはとっても大事だと思っていますので、こうした関心はとても嬉しく感じます。なぜなら食事の時間は子どもの気持ちがとてもよく表れる瞬間なので、表現活動の場と捉えできるだけ対話によって子どもが考えて決めることの繰り返しで人格形成まで影響すると考えているからです。食事に対する欲求は生きていくために必要な基本的・本能的な欲求とも言われ、外からコントロールすることができません。そこを無理やり「しつけ」として対応すると心が傷つき、食事の時の嫌な思い出として心の中に残っていくからです。
しかし、放任とは違います。食事の時こそ楽しいおしゃべりの中で、安心感の中、こちらの願いも話しながら子どもが自分で決めるということを大切にして欲しいのです。つまり「たのしさ」こそが食事に対する意欲を育てますので、保護者の方の悩みも自然と軽くなっていくと思います。
園ではそのことを大切に考えているので、食べる順番や好き嫌い、食べる量、マナーなどを出来るだけ子どもの気持ちに寄り添いながら話しをし、最終的には子どもが自分で最もいいと思う方向で決めてもらっています。保育参観でも園の食事への切り替えについて見ていただけていると思いますが、子どもの気持ちに沿った対応をするシーンにたくさん気づいていただけると思います。よく生きようとしている子どもを信じ食べる表現を楽しんでください。