幼児が「運動会を楽しむ」ということ
ばら組では「かけっこをしたい」という子どもたちの願いに合わせて写真のようなゴールテープを作りました。
かけっこというと勝ち負けがつきものですが、子どもたちの多くは「仲間と一緒に走る」という喜びの方を強く感じます。それは遊びの中では先頭を走っていても友達が遅れていることに気づくと追いつくまで立ち止まって待ち、それから一緒にゴールをして喜ぶという姿をよく見るからです。しかもずっと負けていても「次には勝てそう」という希望も持ち続けています。そんな子どもたちがゴールテープを作ったという話を聞いて私は少し嬉しくなりました。それは1番になるという目標だけでなく自分達の描いたゴールテープを目指して走るという新しい目標ができたからです。こうした想像的な保育の中では競争することだけが目的にならないので、子どもたちの楽しみや意欲がどんどん湧いてきます。
すみれ組では運動会の取り組みをしていた時に、たまたま近所の方がグランドにいたので終わった後に「どうだった?」「カッコよかったでしょ!」「今度運動会やるんだよ」と声をかけたそうです。すると「すごいかっこよくてかわいかったよ!頑張ってね」と言ってもらえ、嬉しそうに「うん!」「がんばる!」と答えていたそうです。これも行事の取り組みの中での多様な体験が子どもの中には生まれていることがわかります。